2009年01月05日

京劇「群英会」(2008年02月17日)

京劇「群英会」とは、
簡単に言うと赤壁前後。

  『みんなでよってたかって曹操をだまくらかそう』の巻



名優による3バージョンの「群英会」を見て
大層面白かったので、誰も興味なくても(笑)感想アップ。

◎ 舞台「群英会」 ◎
(上演年はわかりませんが、
方栄翔が89年に亡くなっているため、それよりは前)←当たり前


●曹操……袁世海
●黄蓋……方栄翔
●周瑜……葉少蘭
●孔明……張学津
●魯粛……孫岳


まずは方栄翔の黄蓋。唱も演技も、清廉な感じのする人です。
好くも悪くもアクがないのでそこが物足りなくもありますが、
背筋の伸びた、とてもかっこいい黄蓋ですv

魯粛の孫岳はとにかく芸達者。孔明との掛け合い漫才が最高♪
この魯粛が上手いか下手かで舞台の出来がグッと変わってくると
思います。善哉の塩みたいな役です。

孔明の張学津。張君秋※の息子さんなんだそうで。
確かに似てる…。つまり丸顔なのです。
出てきたときから、その目の配り方といい怪しさ大爆発だったのですが、
お顔のせいでキツネよりはタヌキ…海千山千のしたたかタヌキに見えます。
イメージとしては、財津一郎が孔明を演っていると思っていただければ
そのまんまドンピシャかと(笑)。
唱も演技もソツなく達者な人なので、それはそれで面白いんですが、
ただ…どうも孔明という感じがしない。
なんせ財津一郎なので(((笑)))。
中国人の孔明のイメージがどういうものかよくわからないのですが、
私はやはり孔明は、♪すました顔してあのコ♪な、実は悪魔タイプが
「らしい」と思っているので(笑)、こうあからさまに
したたかタヌキに見える人だと、孔明らしい面白みには欠けるなぁ…と
思ってしまいます。……う〜〜〜む……悪くはないけど……
悪くはないけど…………
孔明と思わなければ(オイ!)、
魯粛との掛け合いなんか『好hao!』です。

そして、世海和尚の曹操。出番はちょっとしかありませんが、
そのあまりのかわいさに……マジで涙がこぼれそうになりました。
ゴマちゃんよりかわいい……(◎д◎;;;)……。
かわいすぎて涙がこぼれそうになるなんぞとは、初めての体験です(汗)。
……もうどうしていいかわかりません。
あんな曹操が道端にいたら絶対持って帰ってしまいます。
<大聖爺>李少春もきっと、一緒に舞台に立つたび
『三哥※、かわいいなぁ♪』と思って演じていたに違いありません!
だからあんなにラブラブな雰囲気なんだっっ!!!
もうね……これはもう……見ていただくしかございません。
必見です。ゼッッタイ御覧になって損はございません。
一家に何体でも和尚!!!( ̄д ̄)ノ

そしてそして〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
「群英会」の主人公!
われらが若旦那※、周瑜の登場で〜〜〜〜〜〜〜〜す!!!
若旦那オン・ステージ!!!( ̄д ̄)ノ

周瑜2.jpg


周瑜4.jpg

☆写真は葉盛蘭(はっぱパパ)演じる周瑜


もう、琴も弾いてくれるし、剣舞も披露してくれるし、
酔っぱらいのふりもしてくれるし、羽根もくわえてくれるし、
至れり尽くせりのサービスっぷりでございます。
まだ小生の唱に慣れていないため、思いがけないところから
高音攻撃を受けるのもスリリングでいとをかし、でござる。
とにかく、表情のひとつひとつが見ていて飽きません。
面白すぎます。惚れちゃうぞ若旦那!!!(((笑)))
あんまりハマリ役すぎて、他の人がこの役を演っているところが
想像できません(笑)。はっぱ親子のクローンが、
代々演じるしかないな……周瑜公瑾。こわーい。
東風が吹かなくて気鬱の病にかかったときなんかですね!!!(>д<)ノ
……あれ一応寝間着だと思うんですが……ピンクです。


          ピ・ン・ク


ピンクに、すごいお花模様のついた(!)なんと形容していいのか
もはやわからない衣装をカレイ&カレンに着こなし(TдT)
さっそーと(???)登場。
……顎はずれそうになりました。

あんな衣装……誰が着こなせるというんだ……というか
普通はあんまり着こなしたくない……(((笑)))。
あんな芸当ははっぱ親子にしかできまへん。
たぶん、他の人では衣装に完全に喰われると思います。
ほんと夢に見そうなピンクですだよ……。
これも、もうもう見ていただくしか!!!(>д<)ノ
とにかく若旦那の芸は必見です!!!


以上のような個性豊かな人達が繰り広げる舞台ですから、
面白くない訳がありません。なんだか、だんだん
「三国志」のイメージが変わってくるような気がしてますですが(笑)。
これまでは吉川英治と人形劇で構成されてたんだがなぁ…(遠い目)。

ああ、でもまたもや最高に近い(?)舞台を見てしまったので、
あとが大変かも。周瑜次第ですねぇ……。
この演目は周瑜の出来(魅力)が70%を占めますよ。


「群英会」最後の場面は例の<借東風>。
財津孔明が、やはり怪しさ大爆発で七星壇でお祈りしてました。
で、トンズラしてました。
最後までタヌキでした(((笑)))。


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続いては、昔NHKで録画だけして見ていなかった
「三国志〜赤壁の戦い〜」。
やはり「群英会」でした(笑)。

ビデオ3倍録画で、しかも最後は残存が足りなくて切れてるんですが、
保存状態は悪くなく幸運。
なんと、北京・中国・戦友3京劇団の合同公演です。
たぶん10〜12年ぐらい前の舞台だと思います。
さて、キャスティグ。


●曹操(前)……袁世海(お年なので前半のみ)
    (後)……羅長徳
●魯粛   ……譚元寿
●孔明   ……張学津
●周瑜   ……葉少蘭
●黄蓋   ……李長春


上記「群英会」でカットされていた場面を全部選り抜いたように
フォローしてくれており、まさに今の私のためのような舞台!
いや、マジで驚いた……(汗)。

しかも、これから趙雲が孔明を迎えに行きますよ〜って
キリのいいところでテープが切れていて、
『こっから先が気になるのに!!!』……と地団駄踏む必要もなく。
すばらしい!!! すばらしい、過去の私!!!(自画自賛)

黄蓋は相変わらず若くて※(涙)、曹操はかわいくて(vvv)、
孔明はタヌキで(汗)、そして……
周瑜の寝間着がピンクじゃなかったーーーーーーーーッッッ(>д<)ノ

ヤダーーーーーーーーーーッッッ

ピンクじゃなきゃヤダーーーーーーーッッッ!!!!!

……せっかくの三劇団合同公演の最終感想がこれかと思うと
お歴々に申し訳ないようではありますが(((笑)))。
しかし!

あのピンクを見てしまっては、
もうそれ以外は認められませんですよ!( ̄皿 ̄)ノ
周瑜=ピンクの寝間着!!!


*****************************


最後は1957年の映画「群英会」です。
大量の雨と色褪せ方になんとも風情がございます(笑)。
でも音が鮮明なのは嬉しいな♪


●孔明……馬連良(老生といえばこの人という名優)
●周瑜……葉盛蘭(小生といえばこの人という名優)
●黄蓋……裘盛戎(浄といえばこの人という名優)
●曹操……袁世海(私のアイドル。もちろん名優)
●蒋干……蕭長華(丑といえばこの人という名優。
         世海和尚に『君は浄だ!』と勧めた先生vvv)

(魯粛の役者さんの漢字が出ません……(汗)
 魯粛は孫岳さんが一番好きでしたv)

1957年といえば、和尚41才、裘盛戎42才、葉盛蘭43才と
油の乗り切ったお年頃。(和尚の声の伸びと艶が違います!vvv)
この3人は同窓なんですよね〜。
やっぱり才能は固まって出てくるんだな…。

馬連良56才は納得として、
蕭長華の79才は『エエエッッ?!』でございます(汗)。
……とてもじゃないが……そんなお年には見えません……。
(蕭先生は89才の長寿を保たれましたが)

映画はかなりはしょってあるので、
もともと大して多くない黄蓋の場面が更に削られ(汗)、
裘盛戎の芸を堪能するところまではいきませんでしたが、
それでも押し出しの良い声だなぁと思いました。
厚みも迫力もそれなりにあるのに疲れないんですよ。
裘さんの芸を堪能するために、いつか半鷺BOXを買おうと思います
(なぜか彼のだけ某所でしか扱ってなくて、値段がバカ高…)。

はっぱパパは息子よりも貫禄があって(やはり息子は息子らしかったwww)、
男くささもアップ!ではありますが、
それだけにあの裏声の与える衝撃は息子よりも大きゅうございました(笑)。
相変わらず表情がいちいち楽しいぞ!(笑)

でも<借東風>の場面までいかずに映画は終わってしまうので
(曹操から矢をせしめたところで終わりなのです)、
期待していたピンクのネグリジェ……じゃない寝間着は見られませんでした。
ガッカリ…。

馬連良の孔明は、教養のある趣味人で、人が練れていて、
ちょびっとイヂワルで茶目っ気もある大店のご隠居さんといった感じ。
細面だし、タヌキ孔明よりは孔明らしいと思うのですが、
やはり悪魔(人外)なところがないのが物足りないかな〜(笑)。
これはあくまで私の好みで、この孔明は孔明として楽しく見られますけども。
どう見てもこの演目での魯粛と孔明は漫才コンビですし。

漫才コンビといえば、曹操と蒋干。
ほぼ40才違いの師弟コンビ!!!(◎д◎;;;)ノノノ
蕭先生もさぞ感慨深かったでしょう。
自分が浄になれと勧めた男の子が(by「袁世海全伝」)、
目の前で堂々たるプリチー曹操を演じてるんですもん。
やはり京劇の名作は<喜劇>であると実感した映画「群英会」でした。
(そして、<喜劇>は役者の力量が必須だとも……(涙))


この映画「群英会」。
必見は、あえて言いますが、蕭先生の蒋干です!
これまでの「群英会」ではさほど気にすることもない
(まぁ丑らしい役、程度にしか認識していなかった)蒋干が、
ほとんど主役並みに輝いています。

蕭先生……すごい……。

声も演技も年齢不詳だし(笑)、
それ以前に、あまりにも自然で素敵な演技に見惚れます。

京劇でいう<劇徳>って、蕭先生のためにある言葉?と思いました。

和尚自伝や鑑賞マニュアルで、蕭先生の素敵エピソードを読んだせいも
ありますが、人徳が文字通りオーラになって出てるんですよ…。ウットリ
この蒋干が見られただけでも、この映画を見た甲斐がありました。
蕭先生の他の作品も見たいな……
(……と、こうして京劇貧乏になっていくのでありましたとさ(涙))

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※張君秋……名女形。中国京劇音配像の製作指揮もとる。
※半鷺 ……中国京劇音配像のこと。半分サギの意(笑)。
      昔の音源に、今の俳優の映像をかぶせてある。
      国家プロジェクトなだけあって、出来はすばらしい。
※三哥 ……和尚は三男なので皆にこう呼ばれていた。
※若旦那……葉少蘭のこと。葉盛蘭(父)葉少蘭(息子)のことを
      <はっぱ親子>と徒名しています。父子とも小生の名優。
      個人的に京劇界の藤山寛美だとも思っている。
※若くて……このときの黄蓋役・李長春は、艶のある美声が災いして
      老人役でもせいぜい30〜40代にしか聞こえないという
      重大欠点があるのであった。
      欠点というのも失礼なんだけど(涙)。
※裘盛戎……世海和尚の幼友達で、方栄翔と李長春の師匠。
      この2人は、師匠の芸をキッチリ2等分したイメージがある。
※老生 ……中年〜老年男性役。京劇の主な主役。
※小生 ……若者役。裏声と地声を使い分ける。
      小生の裏声の高音攻撃にはなかなか慣れない(笑)。
※浄  ……いわゆる隈取りで有名な役。
※丑  ……道化役。


posted by 遷 at 01:39| Comment(0) | 舞台(映画)感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アイドル写真集(2008年02月17日 )

いきなりですが、
送込10880円のアイドル写真集が欲しくてたまりません。

下記のように、ありがたさ大爆発なアイドル写真集です。

『本書は京劇界の大御所が自ら隈取りの筆をとり
写真撮影した数十の臉譜と人物造型カラー図版からなる。
初版は1960年代初頭、故周恩来総理が外国の元首たちに
贈呈したことで有名。序文:梅蘭芳、老舎。』


……周恩来に梅蘭芳に老舎ときたもんだ。
(どうせ各国元首どもはありがたくも思わずもらったんだろうが、
少なくとも周恩来は京劇の大ファンだったのだ)


10880円って、安い気もするんだよな。

これが日本の印刷技術なら……とも思うけど、
しかし日本で出版されたらお値段も少なくとも3倍にはなると思われるので
ゼイタクは言うまい。

〔赤β〕寿臣は、私のアイドル袁世海のお師匠。
師匠ったら、弟子とはまた違ったワイルド&プリチーさをお持ちで
す。

こんな素敵すぎる写真が数十枚も……vvv

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丸いお腹がたまらーーーーーーーん!!!(((笑)))



ああ、欲しいなぁ、写真集!!!

あ!そうか!
今度の己の誕生日に己にプレゼントすればいいのだ!

好ロ圭!

……どうやら、自己完結した模様です。
(あかん〜〜〜……)


*******************


<追記>2009.1.5

そして確か8000円ぐらいで、古本屋で購入できました。
はるばる北海道から届いたときは嬉しかったです……


舞台は踊る♪(2008年02月01日)

あちらの京劇サイトに行っては、面白そうな記事を漁っています。
で、特に気に入りそうな気配がしたものは頑張って全文訳(>д<)ノ
最近のお気に入りはコレです↓
見たかった……(笑)。

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● 李少春を困らせる ●  程之「私の生涯」より抜粋


 一度、私たちは李少春と「黄鶴楼」で共演したことがある。
配役を見ていただくと、李少春<劉備>、韓非<張飛>、史原<趙雲>、
石揮<周瑜>、崔超明<魯粛>、于飛<甘寧>、
そして私・程之が<諸葛亮>であった。

 
 舞台は、始まったときはまともだった。李少春の劉備は正統派の老生※、
私の諸葛亮も決まりどおりに演じていた。が、史原の趙雲が現れたとたん、
観客が爆笑した! 彼の帽子がしっかり縛りつけられておらず、
上手のカーテンにひっかかって(このときは上手にも下手にもカーテンがあった)、
かしいでしまったのだ。史原は何が起こったのかサッパリわからず、
慌てふためいてあとの歌詞をすっかり忘れてしまった!
とっさに思い出したのが”長坂坡”※の3文字。
そこで彼は自分が歌う番になると、始めの4句はモゴモゴとごまかし、
あとの3句はみな”長坂坡”で通してしまった!


 韓非が登場すると更にメチャクチャになった! 
張飛が舞台間口で髯をしごいて(指で二筋の髯をしごくのだが)
『あやや!』と叫び見得を切る仕種ーーー 韓非はこの仕種に慣れておらず、
ただ両手で髯をつかむばかりで、いくらたっても二筋の髯をつまめなかった。
鼓師はこれを見るなり打つのをやめ、琴師を促して、太鼓と銅鑼と胡琴とで、
次に張飛が歌う”心は諸葛亮を恨む…”のあの四句のリズムを奏でだした。
ところが、韓非は真面目だった。やっとのことで二筋の髯をつかみ取り、
胡琴が次の曲を弾きだしている最中に、『あやや…』と大声で始めたのである。
楽士は手をうつひまもなかった。鼓師は慌てて太鼓と銅鑼を打ちなおし、
琴師にも『もう一回、もう一回!』。


 石揮の周瑜は、見栄えが悪く※、すました顔が滑稽だった!
彼がマジメに歌えば歌うほど、観客は笑いを抑えることができなかった。
于飛の甘寧は、どう見ても外国人が京劇をやっているように見え、
崔超明の魯粛は、とにかく身体が大きくて、
藍袍の裾がやっと膝小僧に届くといった有様。
彼が登場したとたん、誰かが驚いて言った。
『こりゃぁ…!鍾馗が出てきたぞ!』(崔超明はかつて新劇「捉鬼伝」で
鍾馗を演じたことがある) 崔超明は広東人で、どういう訳だか、
京劇の台詞を広東語のように話した。しかも台詞が支離滅裂で、
李少春はつい笑いそうになり、もう少しで自分の台詞が言えなくなるところだった。

 劇の間中、客席は笑いに包まれ、舞台の上では楽士が演奏しながら
笑って顔が上げられず、楽屋裏では裏方たちが壁を叩いて笑っていた!

ある人が言ったものだ。
『この「黄鶴楼」を演じきったら、すごく李少春を困らせられたのにね!』


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※ 老生   ……中年以上の男性役のこと。
※「長坂坡」 ……趙雲主演の演目。子(阿斗)連れ趙雲のくだりです。
※見栄えが悪い……周瑜の別名は<美周郎>。


**************


<追記>2009.1.5


この文章を読んでから「黄鶴楼」が見たくてたまらなかったのですが、
ありがたいことに葉盛蘭の半鷺DVD-BOXに入っていました。

周瑜と趙雲のやりとり、劉備と孔明のやりとり、
抱腹絶倒の面白さなんですけども……

内容を知ってから、この文を読み直すと
その凄まじさがより実感できます(笑)。たまらん……


趙雲……彼にしてはむっちゃ台詞多いし(汗)。

すごい……

想像するだに、ものすごい舞台だ……


名優がきら星の如くだった当時でも、
こんなとんでもない舞台がかけられ、
それを舞台の上でも下でも、皆して楽しんでいたというのが
うらやましくてなりません。


見たかったなぁ!!!!!
大聖爺を困らせた迷舞台!!!

京劇「打金磚〜だきんせん〜」(2007年12月24日)

半鷺DVDで唱以外に字幕がついていないため、まだ見ていなかった演目。
あらすじはこちらを御参考に↓。
http://www.geocities.jp/cato1963/Kyougeki3.html#010

あちらでは有名な演目らしく、
李少春の代表作としても必ず挙げられている作品です。

声の配役は

●劉秀(光武帝)……李少春
●馬武……袁世海

なんですが、ハッキリいって情けないお話です(笑)。

しかも結構サパサパーとブラックで、
まぁそこが私なんかには
楽しいと言えば楽しいですが、とんでもないと言えばとんでもない(笑)。

前半ひたすら酔ぱらっているだけの劉秀なので、
大聖爺が演るにしては見せ場が少ないぞ?と思っていたら、

最後に来ましたな。

いかにも大聖爺な場面が。

これまで押さえていた分(?)大爆発。

これだけ楽しく(???)怨霊に襲われてくれる人を
探してくれと言われても難しい(((笑)))。

怪談好きな私にはたまりません(違)。

怨霊たちがまたかわいいしvvv (違)。

思わず3回ぐらい巻き戻してしまいましたとさ!

それにしても。

…………やっぱりこの人……

骨の髄まで役者バカだ………(T▽T)……(実感)


勿論この役は李少春の専売特許というのではありませんけれども、
ふだん無口で内向的で、ひたすら真面目だったというこの人が、
舞台の上で大変身する様が観ていて本当に楽しいのです。

息子さんが回想するように、
『芝居が大好きで、いつも芝居のことしか考えていなかった』人、
観客を楽しませるためにいつも全力投球だった人、の面目躍如、
まったくもって真面目な顔してババババーン♪なのです。

ほんとーーーーーーーーーーーーに!
観ていて(聴いていて)飽きない。

面白すぎです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※ 画面で私が実際に観ているのは李少春ではなく、
于魁智という役者さんなのですが(笑)、
自動的に映像を脳内変換しております。
大聖爺がこの演技をしていたんだな……というふうにしか観られない。
それだけ代役の役者さんの演技も見事なものなのですが、
ただこの于サン……線が細すぎて、私はてっきり女性やと思てました(汗)。
だって皇帝服に負けてて、ヒゲがとにかく似合わないんだもん……。
『美人やし、素直に旦(女役)になっといた方がよかったと思うけどなぁ…』
とまで思ったのに、調べてみたら男性でしたわ!!!(((笑)))
まぁ、最後の段は皇帝服を脱いでいたので
『……やっぱり男性か……?』とも思ったのですが、
それまでがなんか居心地悪すぎて(笑)。
しかもすごく人気のあるトップ老生らしい。
……どういう役を観たら、居心地悪くないんでしょうか……(汗)。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて、楽しいといえばやはり袁世海の馬武。
世海和尚が演るとどんなキャラもかわいい!!!(>д<)ノ

間の取り方が絶妙で、どんなシリアスな場面でも
クスス♪と笑わずにはいられません。
姚期もその息子の姚剛もかわいくて魅力的で、
やっぱり浄(花臉)はええな〜vvv と改めて実感。

現役で一番不足しているのが優秀な浄なんだそうで、
浄大好きな私としては残念でたまりません。
誰か現役で好みの浄をみつけたいなぁ……。
半鷺DVDでファンになった呉サンももう引退してはったみたいやし(涙)。
いっつも、いっつも、出遅れる私でありました(T=T)ノ

     
      **************


しかし本当に京劇の<あらすじ>ほどアテにならんものはないというか、
決して間違ってはいない(というか正しい)のですが、
厳密な意味での作品紹介には全くなっていないという(笑)。

とにかく、実際に見てみないとどんな作品かはゼッッタイにわかりませんです。

日本のものだと、なんとなくでも
『これは好みっぽい』とか『合わなさそう』とか予測がつくのですが、
京劇に関してはお手上げです。

手当たり次第観るしかない(笑)。

実に先の長い楽しみです。

多謝観音ぼーさー(-人-;;;)。
posted by 遷 at 00:49| Comment(0) | 舞台(映画)感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

病膏肓(2007年12月16日)

京劇に本ハマリしました……。


もともと興味はあって、
初めて大枚はたいて来日公演を見に行ったのは高校生のとき。

勿論、本場の悟空が見たくてチケットを買ったのですが、
梅保玖演じる楊貴妃@「貴妃酔酒」の気品と美しさに感動したのも
今となっては貴重かつありがたい思い出です。

以後、ずっと興味を持ち続けてはいたものの、
恐らく立ち回りのない作品(唱がメインの作品)は
自分にとっては退屈で寝てしまうだろう(汗)との恐れがあったため、
それ以上踏み込むことはしませんでした。
あくまで「西遊記」限定ファン(笑)。
京劇の悟空は、まさに私の理想の悟空でした。


ところが今回「将相和」を見て、
『いけるぞ!』と。
『文戯も大丈夫!面白い(のもある)!』と実感。

ここ10年ばかりの文楽鑑賞で浄瑠璃に耳が慣れたせいもあるのか、
唱&台詞だけを聴いていても退屈しない!
年もとってみるもんだね!!!(((笑)))

さて、こうなると、一気に選択肢が広がりまして、
<大聖爺>李少春とそのまわりの人たちから攻略開始。

残された映像音源は少ないとはいえ、それでも魅力十分で、
しかもこの方々自身のエピソードがドラマ顔負けの面白さ。
(面白いだけではすまないのが辛いのですが…(涙))

大哥とふたりして、李一族に完全にやられました。
そして、そんな我々を見越したかのように
李少春記念館のHP開設(リンク済)。
……まさに魔窟……んにゃにゃ……

    
    我々にとって、ここは花果山…!!!(T◇T)ノ



いつか必ず行きますです。
今後の人生の目標ができました(-人-)。

……願わくば、それまでに大陸が飽きて
閉鎖してしまったりしませんように(汗)。

張衛健と李少春に出会えた人生に、
いま心から感謝しているところです。

多謝観音ぼーさー!
多謝観音ぼーさー!
多謝観音ぼーさー!

物心ついた頃からの<悟空愛(サル呆け)>が、
人生の折り返し地点で遂に本格化するとは。

年くってからの病はやっかいですよ〜〜〜(by畏友)。
まさに病膏肓!!!( ̄▽ ̄;;;)ノ 


      

         好ロ圭!



2008年、北京五輪を記念して(←言うてみただけ)
いいんじゃないでしょうか(笑)。


という訳で(?)
来日公演での大聖爺のスナップを。


BADFC6FCCBDCB1E9BDD0E0CD3FB.jpg


観たかった…………(哭)


****************

<追記>2009.1.5

李少春記念館、ある方がおっしゃるには
『行く必要ない』そうですが(涙)、
それでもやっぱり行ってみたいです…。

しかし、2時間しか閲覧時間がないってどういうことね?!

しかも近所にホテルなんかないから、
北京からタクシーとばして行くしかないだろうとのこと。

……それなのに、2時間しか閲覧時間がないって!?


……見せる気あんのか……。


いえ、でもきっと我々は行くですよ。

行って、激怒することになっても(汗)行くです。


いつになるのか全然わかりませんが…(T=T)…


posted by 遷 at 00:41| Comment(0) | 役者について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

なぜだろうなぜかしら〜京劇悟空編〜(2007年12月10日)

……というタイトルの本が昔あったのです。
若人は御存知ござるまい(笑)。

さて、私が三次元の悟空として、心から理想的vだと認めているのは、
張衛健(ディッキー・チョン)の悟空以外では、
京劇の悟空だけだというお話は
過去に申し上げました。(申し上げたと思います)

で、今回、上海の某京劇団の悟空を見る機会がございましたですよ。
DVDでですが。

…………

それは見事な体技でござった。

私がこれまで見た京劇悟空の中でも、
1・2を争う見事な技でございました。

だがしかし。

それだけ見事な技を披露してくれているにも関わらず、



   この悟空は全然悟空に見えませんでした。



おサルにさえ見えなかった。


おサルの演技はちゃんとしてはるんです。
その演技に、特に悪いところがあるようにも見えない。

でも、どうしようもなく、
おサルにも、当然悟空にも、見えないのですね。

これまでに観た京劇の舞台では、
悟空が出てきたとたんに、パッとまわりが明るくなる感じがして、

『大王サマーーーーーーーーーーーーーーッッッ♪』とか

『大師兄〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪』とか

叫びたいような、
嬉しくてたまらない気持ちになったものなんですが、

…………全然。


特にイヤなところがある訳でもなく、
(おサルとしてのルックスをいうなら
過去もっと難ありな方もおられましたwww)、
技のレベルは間違いなく最高級。

なのに、ちっとも嬉しくも楽しくもない。

悟空が舞台に立っていて、そんなことは本来ありえないのです。

それで、しみじみ思いましたなぁ。
技術だけでは、どうしてもフォローできないものがあると。

頭の先ではわかっていたつもりでしたけれども、
今回あまりにもハッキリと、厳然たる<事実>として実感できました。

実際、技のレベルでいうなら雲泥の差といっていい
台湾の悟空たち……
彼らは素人目に見ても発展途上だと感じるレベルでしたけれども、
それでもちゃんと、大王で大師兄の<悟空>でした。

見ていて、嬉しかったし、楽しかったし、
頭をなでてもらいたいと思いました。←花果山の小猿気分

何が違うのか。

上海の悟空には何が足りなかったのか。

正確には、私にとって何が足りないと感じられたのか。

わからないんですけどね(((笑)))。


ただ、これだけ見事な技が、
<悟空>を演じるにあたっては何の役にも立っていないということが
ある意味<新鮮>でした。

まず悟空ありき。

まず、そこに<悟空>がいないと、いくら技術があってもフォローできない。

反対に、そこに<悟空>がいれば、

多少技術に難があっても(程度問題ですがwww)
観客は……いや私は、『大王〜〜〜〜〜〜!!!』と叫ぶことができるのです。


ますます、たくさんの人の京劇悟空が見たくなってきましたよ。

一番見たかった人の悟空は、もう見られませんけれどね(涙)。



hitozaru01.jpg


……これは<悪>の悟空です。

六耳臂猴(李小春)が化けています(一部嘘)。


   *****************

<追記>2009.1.5

上の写真は映画「人・猴」の一場面です。
主演・李小春、京劇舞台芸術監督・李万春の
何がやりたかったのかサッパリわからんメロドラマ(汗)。

間違いなくスカポン映画ですが、
李小春の悟空の演技と、
小春&弟妹弟子の練習風景が拝めるという、
そのありがたさに、VCDとDVDをそれぞれ買ってしまったという
大馬鹿者です。

それほどに、李小春の悟空はすばらしい!


……ニセモノですけどな(汗)。


……こんな色悪な悟空がいてたまるもんかい(汗)。


最初にこの映画を観た大哥が
『こんな悟空はイヤだ〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!』と
ワンワン泣いていたので、思わず
『それはきっと六耳臂猴が化けたニセ悟空ですよッッ!!!』と
なぐさめたばかりに(?)
めでたく李小春の徒名が<六さん>に決定したのでした。
叔父さんの李少春と区別がつけにくいってこともありましたし。

さてこの李小春の六さん。

悟空に限らず、何を演っても<悪>です(笑)。
林沖に扮した舞台写真なんか、もう極悪です。
そのまま天下統一もできるじゃろうと思うような林沖です。
……ニセモノめ……。


しかし、体にはヘンなバネとモーターが入っていて、
あまりにかっこいいので、私と大哥は六さんが大好きです。

だって、いつも楽しそうなんだもんな六さん!

そして、その父である万春がこれまた<活悟空>ときたもんだ(笑)。

この父子については、これからも気長に追っかけしていこうと
思っています。

とりあえず、万パパ(=李万春)の自伝を読んでしまわなくては。
読了したら、また御紹介致します。



6linchong.jpg

(……ね?極悪でしょう?(汗))
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2009年01月04日

京劇「野猪林」(2007年12月02日)


さて、噂の「野猪林」です。

私は「水滸伝」を中学生ぐらいだかのときに読んで
そのときあまり面白くなかったもんですから、すっかり忘れています。
今読んだらどうなのかわかりませんが。

特に好きなキャラというのもいなかったんだよな……。

そんな「水滸伝」ビギナー(笑)が見る「野猪林」。

「野猪林」の主人公は林冲と魯智深和尚です。

軍の教育官で、武芸の達人として名高い林冲は
恐らくその男っぷりでもキャーキャー言われていたはずです。
……だって、そういう設定でないと許されない衣装なんだよな……。

華麗な上にも華麗な衣装。

『これでもかーーーーーーーーーッッッ』という気合い十分です。


   
    
   そ う、は ず か し い ほ ど に……( ̄= ̄;;;)。





で、この人はどうも早く両親を失ったようなのですが、
恐らくはええとこの坊んで、
よい人達に囲まれて、おっとり幸せに育ってきたのだと思います。
で、美人の奥さんをもらい(恐らく、互いに一目惚れ←確信)、
まだ子供はいませんが、幸せな家庭を築いております。

ええ人です。高手らしく武痴のケは確かにありますが
(刀剣好きでもある)、穏やかで争い事を好まない性格です。

で、人なつこい(笑)。
一言でいうと、理想的な<坊ん>なのですな。

しかも男前。

まさに『これでもかーーーーーーーーーッッッ』なキャラであります。


そんな彼が魯智深と出会ったのは
林冲28才、魯智深32才の春のことでした。


魯智深が弟子たち
(元々野菜泥棒だったが、魯智深の武芸に惚れて弟子入り)に
せがまれて棍の技を見せているところに、
林冲が偶然通りがかったのです。

『お見事!』

と思わず声をかけてしまう林冲。
武痴(武芸バカ)やからね(笑)。

『やぁやぁ!おいでなさい、おいでなさい♪』

褒められて嬉しく、一目で相手に好意を感じた魯智深
(元々誰にでもものすごくフレンドリーな人なのだwww)は
林冲を招き入れ、坊んも嬉しそうに応じます。

見かけは似ても似つかぬ2人ですが(((笑)))
もう出会ったときからお互いが大好きになってたんですね。

これは理屈ではない(((笑)))。

互いに名乗り合い、

『おお!貴方があの!!!』

『なんと!貴方があの!!!』と

称え合い、謙遜しあうさまもいとはずかし……。

(というか……実際、ここは爆笑場面です。
出会っていきなり、仲良すぎやあんたら!!!)

勿論こうなったら義兄弟になるしかありません。
めでたく<仁兄>と<賢弟>になる2人。

<賢弟>はせがまれて剣法を披露。
サッっと長衣を脱ぐ仕草がこれまた……
二枚目でないと許されません……。

……なんて限定のかかった役なんだろう林冲……(汗)。

男達が和気藹々と遊んでいる間に
奥さんがピンチにみまわれていました。

『旦那さま!こんなところで何を暢気に!!!(怒)』

下女が慌てて助けを求めにやってきて、
林冲は別れの挨拶もそこそこに現場に急行いたします。

(そして、賢弟が心配でそのあとを追っていく魯智深……(汗))

林冲の上司のバカ息子が、なんと林冲の妻に一目惚れ。
嫌がる彼女を追いかけ回していました。
上司の息子だからと、妻への無礼を我慢した林冲ですが、
バカ息子の方はあきらめない。
バカ親父も自分に靡かない林冲がけむたかったものですから、
これは一石二鳥と、林冲を罠にかけることにします。
罪人として林冲を始末したあと、
妻を息子の嫁に与えようという算段。

まんまとハメられた林冲は、
しかし魯智深のおかげで命拾いをし、
が、夫が死んだと聞かされた奥さんは自害してしまいます。

妻の死を知った林冲は
上司の言うなりに自分を陥れた、かつての級友とその部下を殺し、
<仁兄>魯智深と共に梁山泊へと向かうのでありました。

  
      ****************


……とまぁ、こういう物語でございます。


高潔で幸せだった二枚目が、一転、悪者に陥れられ、
拷問され(痛めつけられる場面は結構延々続きます…)、
愛する妻は殺されたも同然、
限りない悲しみと怒りを胸に
<仁兄>と梁山泊へ……。
まさに。


    …………『これでもかーーーーーーーーーッッッ』


確かに、ガイドブックにある通り見どころだらけです。

林冲役は、素人から見ても難しい役だと思います。

それを熱演して拍手喝采を浴び続けた李少春大聖爺。


  …………密かにナルちゃんだったに違いない。


まぁ、ナルでない役者なんていないでしょうが、
それにしても、この林冲は!!!(>д<)ノ

      
         はずかしい!!!!!!


        はずかしいよ!!!!!!(((笑)))


       『これでもかーーーーーーーーーッッッ』 

 
ひいぃ……


すみません…………もう

…………お腹いっぱい…………(TдT;;;)ノ



…………すごいよなぁ……大聖爺(涙)。


役の練り上げ方がハンパではありません。

藺相如は男前でなくても演れるけど、
この林冲だけは!
これだけは、頼む。

男前が演ってください。

でないと、いたたまれません(汗)。

たぶんこれは芸の力だけではフォローできんと思う……(汗)。

そんな、観客のいたたまれなさを
救ってくれるのが、我等がろっちんです。

魯智深のろっちん(((笑)))。
もう、ろっちんとしか呼べない(((笑)))。

初登場時の『あ〜み〜た〜ふぁ〜!!!』からもう
観客のハートをわしづかみですよ!!!(((笑)))


   
     かわいい!!!!!(>д<)ノ

    かわいすぎるッッッ!!!(>д<)ノ



で、もう林冲のこと、大好きすぎっっっ!!!!!(((笑)))


ろっちんは、本当にピュアな心の持ち主で、
なんというか……相手が<心根のいい人間>か<悪い人間>か
瞬時にわかってしまうのですね。

だからこそ、根は善人の野菜泥棒たちの弟子入りも快く許して、
いったん弟子にしたらトコトン信用してかわいがります。
ほんと生き仏みたいだなぁ……ろっちんvvv

悪者には容赦しないけど(笑)。
罪のない大木を根こそぎ抜いたりしてたけど(笑)。


そんな、ろっちんが一目で惚れ込んだのが林冲です。
目の中に入れても痛くない(笑)。

林冲も魯智深と一緒のときは本当に楽しそうで嬉しそうで、
その様子が

   
   
    あ ま り に も お か し い の で(((笑)))



何度も繰り返し見ては爆笑しています。
ああ、幸せだ(((笑)))。

   
    ****************


ガイド本によると、この「野猪林」は完全版ではありません。
非常に文学的と名高い林冲の歌がカットされています。

……名場面のはずなのになんでだ……。

まぁ、私はろっちんとの場面があれば幸せですが、
でもやっぱり全部ちゃんと見たいよなぁ……。

毒を喰らわば……って、言うなよな(ひとりツッコミ)。

実はこの「野猪林」は大聖爺主演で映画がちゃんと残っているのですが、
しかしこちらもなぜか完全版が見当たりません。
大概、ほんの数十分の抜粋です。

私も(大哥も)その抜粋VCDを買ってしまいました。
林冲と奥さんの愁嘆場のみでした(涙)。
しかもどっちかいうと奥さん主役の場面で
林冲負けっぱなしの泣きっぱなし(汗)。
しかも映画なので、アップ多用。
舞台化粧のアップです(汗)。
奥さんは高橋恵子似のとてもきれいな女優さん(杜近芳)で、
アップもOKでしたけども、
林冲はハッキリいってコワイです(涙)。
なんぼ大聖爺でもコワイもんはコワイ。
お猿メイクはアップでもいいんですけどさ。

という訳で、やはりこれは舞台仕様で見たい作品です。
舞台仕様の完全版「野猪林」希望!!!( ̄д ̄)ノ
大聖爺と袁世海ろっちんの仲良しこよしも見たいので
映画の完全版も勿論希望!!!( ̄д ̄)ノ
ろっちんならアップもドンと来いだ!!!
あ〜み〜た〜ふぁ〜(-人-)

…………ああもう。
ろっちん、かわいいったらかわいい!!!(>д<)ノ (エンドレス)


      ******************


<つけたし>
そして諸悪の根源のバカ息子。
実はこの人がまたええ味を出してはるんですわ。
シリアスな場面、ユーモラスな場面、
「将相和」のときも思いましたが、
メリハリとテンポが本当にすばらしい。
実はバカ息子のファンでもあります(笑)。
ここの父子関係もいろいろ感じさせて面白いんだよな。
……本当に、抜かりのない脚本でございますだよ……(感嘆)。



******************


<追記>2009.1.4


後に、映画「野猪林」も全編見ることができました。
映画は62年の製作で、半鷺音源より後なんですね。
林沖の歌♪大雪飄…は映画オリジナルで、
これがあまりにも有名になってしまったため、
後の舞台でも必ず歌うようになったそうです。
よって半鷺で歌っていないのは当然のことなのでした。

で、舞台版と映画版、私はどちらが好きかと申しますと、
断然、舞台版なのです(笑)。

映画版は個々には名場面もあるのですが、
私の好みからするとやや冗長で、
また舞台版で好きだった場面が変更になっていたりと、
密かにガッカリな部分も多いのです。
悪役親子も映画版は全然面白くないしなぁ…。

とはいえ、李少春と袁世海の共演が
唯一拝めるのがこの映画です。
それだけでもありがたいといえば涙が出るほどありがたい。

♪大雪飄…♪と歌いながらやってくる李少春の林沖は、
まさに妖精ヨウチン(=中国語の「妖精」は「妖怪・化け物」の意)
の貫禄十分なカッコよさですし、
ラストシーンは映画ならではの美しさで、実にメルヘンです。

色々、知識(どんなだ…)が増えた今では
このラストシーンだけでグッときます。泣けます。

という訳で、どっちの「野猪林」が好きかと言われたら
舞台版なんですが、でも映画版も捨てがたい(笑)。


そうそう。半鷺で林沖を演じていた<北島三郎似>の役者さんは、
王立軍さんという現役トップ武生で、
内輪の愛称は<サブちゃん>です(そのままかい>>笑)。

サブちゃん林沖、確かに最初見たときは『えっ!(汗)』と
思いましたが(笑)、しかしこの王立軍さん、
非常に林沖らしい誠実さとか真面目さを醸し出していて、
見ているうちに、全然違和感を感じなくなりました。

のちに某京劇団の、
モデルのように二枚目だが全然らしくない、
遊び人みたいな林沖を見たあとでは、
更にググーーーッとサブちゃんの株が上がりました。



林沖はルックスじゃあない!!!
(さりげなく失礼か?)



その他、いろいろ見てみると
王立軍のサブちゃんは(そうは見えないけど)実に演技派で、
(そうは見えないけど)実に研究熱心だということがわかり、
我々の中で確固たる地位を築くに至りました。


サブちゃんイカス!(笑)


サブちゃんの生の舞台なら
急げば見られるかもしれないのに……。
現状では、みすみす機会を逃しそうで無念です。


そして、無念といえば、浄の現状。


……ろっちんを演じることのできる役者さんがいません。

こっちの方が大問題です。
posted by 遷 at 22:33| Comment(0) | 舞台(映画)感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

京劇「将相和」(2007年11月18日)

先日<鷺>だと書いた李少春DVDで新たな事実が発覚です。

………………つまりですね。

このDVD……声は本人なのでした……(汗)。

音声のみ、当時(1950年末〜60年初)のものを使い、
それに合わせて映像を(1990年末〜2000年初に)撮り直しているのです。 

なんでそんなことをしようと思ったんだかな……???( ̄= ̄;;;)ノ

なので、完全に<鷺>とは言えません。
<半鷺>ぐらいですか。
よって、半分だけ謝っておこう(笑)。

李少春&他の名優の、声だけでも聞けるのは
ありがたいと言えば確かにありがたいですし、
5枚のうち3枚は全てに字幕が入っているのもありがたし。
(あとの2枚は歌にだけ………ケチ!)


で、現金にもちょっと嬉しくなって(笑)、
「史記列伝」でも特に大好きな<廉頗藺相如>ネタの
「将相和」を選んでみました。

藺相如が李宝春(李少春の息子)やったしね(笑)。

●藺相如……李少春(録音)/李宝春(配像)
●廉頗 ……袁世海(録音)/呉〔金玉〕璋(配像)



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<<「将相和」藺相如(李少春)>>




李少春と袁世海の「将相和」は、
名演として必ず本にも載っているので、そりゃもう大期待ですよ。


************************


さて、初めて見る「将相和」。


結論から言うと、
      
       むっちゃ面白かったです! 


          好hao!!!


これは、ものすごく良くできた作品やと思うなぁ……。

もともと<廉頗藺相如列伝>というのが
短編向きの面白エピソードなんですが、
それにしても、この脚本演出はすばらしい。

キャラといい、メリハリといい、娯楽性といい、申し分なしです。

とにかく、藺相如、廉頗、秦王のキャラがいい。
    
         最高!!!

廉頗はまるで大きな駄々っ子、
も〜〜〜かわいいったらありゃしませんvvv (((笑)))

秦王は秦王で、悪役なんですけど(笑)
そのフットワークの軽さがたまらん味わいvvv
藺相如との掛け合いのテンポがすばらしい!

ふたりとも、とにかく 身振り手振りがもう
いちいちかわいいったらかわいいったらかわいい!!!(>д<)ノ

そして、声が好み!!!

だって伊達大夫※が一番ヒイキの私ですから
(※文楽のダミ声の浄瑠璃語り。
お顔もつぶれたジャガイモみたいで素敵vvv )

いや、もうほんっっまに……
こんなかわいいおっさん連中知りませんよ(笑)。

そして、このかわいさ大爆発の2人の浄(花臉)に対するのが、
スーパー出来すぎ君、白面の藺相如。

原典でも、『カッコよすぎやろ!!!』と
突っ込まずにはいられない藺相如ですが、
演じる李宝春がこれまた男前。
お父さんといい、この一族はどうも男前家系らしい。

しかし、「将相和」が素晴らしいのは、
この藺相如が単なるカッコよすぎな2枚目ではないことなのですな。

勿論、頭も度胸も思慮の深さも申し分なし!のオトナなのですが、
その<原典要素>に更に一要素付け加わってーーーーー


      
       <悟空>になってまんがな!!!(((笑)))


京劇では、自己紹介や状況説明、
自分の思っていることなどを、キャラが客席に向かって歌ってくれます。
当然、その場にいる他のキャラにはその部分は聞こえておりません。

そういう<お約束>なので、
秦王を前にして(!)朗々とこう歌う藺相如。


  ♪ 秦王のバカめ、まんまと俺の策にかかりおった

    俺ってなんて頭いい〜〜〜 ♪


勿論、もうちょっと格調高くは歌いますですが、
言ってることはこういうことです(笑)。

最初にドカン!としてやられてから、
秦王は藺相如に対して応戦一方。
ネバギバ精神でしょーこりもなく挑戦はするのですが、
ことごとく敗退。
そのユーモラスな負けっぷりの愛らしさに(笑)
藺相如がものすごい<クソ坊主>に見えてきます(((笑)))。

なんたって、『ロ黒 ロ黒!』(ヘヘイ!)って笑いますから。
文字通り『ヘヘイ!』。
この笑い方がもう……完全に<大聖爺>(((笑)))。

『ロ黒 ロ黒!』(ヘヘイ!)のあとには
『ロ合 ロ合 ロ合!!!』(ハハハ!!!)が続きますが、

ここまでくると、もう大無礼な大爆笑です。大妖精ヨウチンです。

観客も大喜びの大拍手(笑)。

怯えながら『なにを笑う!?』と後ずさる秦王が
かわいい……ンニャニャ……かわいそうです(笑)。


    ああ、秦王かわいそう…………っっっ(((笑)))


いや、実際はもう命がけで戦っている藺相如なのですが(笑)、
舞台は本当にユーモラスに、見事なテンポで、
彼と秦王のやりとりを見せてくれるもんですから、
こっちは声出して笑わずにはいられません。

まさか、「将相和」がこんなに笑える作品だったとはな〜。

はぁ、もう、楽しくてたまりませんですよ。

もっとも、これは字幕を付けてくれていたからこそ!
ここまで楽しめたのは間違いありません。
字幕付きのDVD(VCD)が少ないのは残念です(涙)。

藺相如が秦王をいじめる(違)<完璧帰趙><繩池会>は
全部に字幕を付けてくれていたのですが、
最後、廉頗と仲直りをする場面には
歌にしか付けてくれていませんでした。
まぁ話は知っていますから、字幕が不十分でも、
藺相如がひたすら争いを避けるのを幸い(笑)
プンプンしながら嬉々として(としか形容しようがないwww)
いじめっこする廉頗将軍のかわいさや、
その駄々っ子将軍を扱いかねて珍しく困っている藺相如を
楽しむことはできるのですが、
細かいところがわからないのはもどかしいです。
わかればもっと楽しいのに〜〜〜(>д<)ノ

でも、最後の最後。
自分の非を悟って謝りに来た廉頗将軍と
めでたく仲直りできた藺相如の
友情のスクラムは…………


     仲良すぎて爆笑ものでした(((笑)))。


いやもう……さすがの藺相如も
廉頗将軍のかわいさには敵わなかったんだな(((笑)))。
藺相如までかわいくなってしまってるじゃないか(((笑)))。

は〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜もう……

最後の最後の最後まで!

ほんっっっまに楽しかったですvvv

で、コレひとつ希望なんですが。
藺相如は男前が演ってください。
それで、絶対面白さが違ってきますから(笑)。

さて、次は李少春の代表作とも言われる「野猪林」を
見ようかと思っているのですが、
こちらの林冲は李宝春じゃないんですよね。

……どっちかというと北島三郎的ファニーなお顔の方なんですが……

……さて。

それはそれで楽しみです(笑)。

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<<「野猪林」林冲(李少春)、魯智深(袁世海)>>


    *****************

<追記>2009.1.4

御存知の方はすぐおわかりになったと思いますが、
これはいわゆる<中国音配像>のことです。

50〜60年代の京劇名舞台の音源に基づき、
現在のトップクラスの俳優が演じるという、
10年にも渡った国家プロジェクトでした。
(こういうプロジェクトが成立するところが、
さすが中国だと思いますですな。現役俳優の音声はポイ(汗)。
日本なら副音声で付けるでしょう…)

それなりに好評を博したらしく、視聴者の要望によって
2000年以降収録された作品には歌・台詞ともに字幕が付き、
外国人にも大いに喜ばれるようになりました(って、それは私)。

単品VCDでは<中国音配像>と明記して売られているのですが、
この名家シリーズは、<中国音配像>からのセレクトだということを
全く記していないのです。
通販店も何の注意書きもなく売っていますので、
『サギだ!』と思われても仕方ないと思います。

よって、この<中国音配像>、
私は非常に感謝しつつも(笑)、
内輪では<半鷺>と呼ばせてもらっております。


そして、この<半鷺>舞台、
出来が実にすばらしくて、
同じ演目でも、これを越えるものになかなかお目にかかれません。


……複雑ですね。
posted by 遷 at 21:47| Comment(0) | 舞台(映画)感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

お猿のだいしっぱい(2007年11月07日)

……というか……
これは私のせいではないと思う……。


***********************


以下。

聞くはともかく、語るは涙でございます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ええ、
楽しみにしていたDVDが本日到着したですよ。

李少春DVD。

文字通り首を長くして待っていたので、
晩御飯もそぞろにすませ、早速フリー君
(=リージョンフリーデッキのこと)で再生しました。

おお、こんなに美しい映像が残っていたとは……!

音もいいぞ!

感動!!!

録音主演……李少春・袁世海の大文字。

幻のビッグネームです。

感動!!!


     
     だが。 感動はそこまで。




なんと。


<京劇名家シリーズ 李少春>と銘打たれたこのDVD。

パッケージにも
李少春の舞台姿の写真ばかりをデカデカと配したこのDVD。



        昔、李少春が演じた舞台を元に(!)

           現役の役者が(!)

        李少春の代表演目を演じた(!)

           DVDだったのです。




勿論そんなことは、

どこにも、ひとっことも、

書いてません。


ハッキリいって、鷺です。


いや、現役役者による
京劇の名作の力演を
見られること自体は嬉しいのです。

李少春の息子・李宝春演じる
「借東風」の孔明、「将相和」の藺相如も見られます。

だがしかし。


よほどの京劇情報通でない限り、

誰だって、

李少春の演技が拝めると思って(!)

このDVDを買うと思う。



企画は悪くないのに、
なんでこんな売り方をするのだ。

実際に演じている役者さんにも失礼じゃなかろうか。

李少春DVD(2007年10月23日)

台湾旅行以来、京劇熱が高まっております。

もともと好きではあったのですが、
台北戯棚 Taipei EYEでの思い出が忘れがたく、
うむ……なんだか台湾の思惑通り(?)の行動をとっているぞ(笑)。

で、しばらくポッチリ(=通販のこと)はしないと誓ったはずが
ポッチリしてしまったDVDがこれです。
紙より軽い誓いとはまさにこのこと。

http://global.yesasia.com/jp/PrdDept.aspx/code-c/section-videos/pid-1004098195/

李少春の代表作がまとめて拝めるですよ〜〜〜(TдT)ノ

「西遊記」映像が残っていないのはつくづく残念ですが、
贅沢を言ってはいけません。


でも。


でも。
  
…………なんで美猴王も撮っといてくれなかったんだよぅ!!!!!(((号泣)))


実はこのDVD、是亜細亜とは別の店でみつけて、
こちらで注文しようしたら、
なぜかPCが固まって注文できなかったのです。
で、ダメもとで是亜細亜で検索してみたら……

あるではありませんか!
(是亜細亜はドラマ専用みたいに思い込んでいた)

しかも!価格が某店の三分の一!!!!!! 

ひょー(◎д◎;;;)ノノノ

ありがとう観音ぼーさー!!!!!!


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