簡単に言うと赤壁前後。
『みんなでよってたかって曹操をだまくらかそう』の巻
名優による3バージョンの「群英会」を見て
大層面白かったので、誰も興味なくても(笑)感想アップ。
◎ 舞台「群英会」 ◎
(上演年はわかりませんが、
方栄翔が89年に亡くなっているため、それよりは前)←当たり前
●曹操……袁世海
●黄蓋……方栄翔
●周瑜……葉少蘭
●孔明……張学津
●魯粛……孫岳
まずは方栄翔の黄蓋。唱も演技も、清廉な感じのする人です。
好くも悪くもアクがないのでそこが物足りなくもありますが、
背筋の伸びた、とてもかっこいい黄蓋ですv
魯粛の孫岳はとにかく芸達者。孔明との掛け合い漫才が最高♪
この魯粛が上手いか下手かで舞台の出来がグッと変わってくると
思います。善哉の塩みたいな役です。
孔明の張学津。張君秋※の息子さんなんだそうで。
確かに似てる…。つまり丸顔なのです。
出てきたときから、その目の配り方といい怪しさ大爆発だったのですが、
お顔のせいでキツネよりはタヌキ…海千山千のしたたかタヌキに見えます。
イメージとしては、財津一郎が孔明を演っていると思っていただければ
そのまんまドンピシャかと(笑)。
唱も演技もソツなく達者な人なので、それはそれで面白いんですが、
ただ…どうも孔明という感じがしない。
なんせ財津一郎なので(((笑)))。
中国人の孔明のイメージがどういうものかよくわからないのですが、
私はやはり孔明は、♪すました顔してあのコ♪な、実は悪魔タイプが
「らしい」と思っているので(笑)、こうあからさまに
したたかタヌキに見える人だと、孔明らしい面白みには欠けるなぁ…と
思ってしまいます。……う〜〜〜む……悪くはないけど……
悪くはないけど…………
孔明と思わなければ(オイ!)、
魯粛との掛け合いなんか『好hao!』です。
そして、世海和尚の曹操。出番はちょっとしかありませんが、
そのあまりのかわいさに……マジで涙がこぼれそうになりました。
ゴマちゃんよりかわいい……(◎д◎;;;)……。
かわいすぎて涙がこぼれそうになるなんぞとは、初めての体験です(汗)。
……もうどうしていいかわかりません。
あんな曹操が道端にいたら絶対持って帰ってしまいます。
<大聖爺>李少春もきっと、一緒に舞台に立つたび
『三哥※、かわいいなぁ♪』と思って演じていたに違いありません!
だからあんなにラブラブな雰囲気なんだっっ!!!
もうね……これはもう……見ていただくしかございません。
必見です。ゼッッタイ御覧になって損はございません。
一家に何体でも和尚!!!( ̄д ̄)ノ
そしてそして〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
「群英会」の主人公!
われらが若旦那※、周瑜の登場で〜〜〜〜〜〜〜〜す!!!
若旦那オン・ステージ!!!( ̄д ̄)ノ
☆写真は葉盛蘭(はっぱパパ)演じる周瑜
もう、琴も弾いてくれるし、剣舞も披露してくれるし、
酔っぱらいのふりもしてくれるし、羽根もくわえてくれるし、
至れり尽くせりのサービスっぷりでございます。
まだ小生の唱に慣れていないため、思いがけないところから
高音攻撃を受けるのもスリリングでいとをかし、でござる。
とにかく、表情のひとつひとつが見ていて飽きません。
面白すぎます。惚れちゃうぞ若旦那!!!(((笑)))
あんまりハマリ役すぎて、他の人がこの役を演っているところが
想像できません(笑)。はっぱ親子のクローンが、
代々演じるしかないな……周瑜公瑾。こわーい。
東風が吹かなくて気鬱の病にかかったときなんかですね!!!(>д<)ノ
……あれ一応寝間着だと思うんですが……ピンクです。
ピ・ン・ク
ピンクに、すごいお花模様のついた(!)なんと形容していいのか
もはやわからない衣装をカレイ&カレンに着こなし(TдT)
さっそーと(???)登場。
……顎はずれそうになりました。
あんな衣装……誰が着こなせるというんだ……というか
普通はあんまり着こなしたくない……(((笑)))。
あんな芸当ははっぱ親子にしかできまへん。
たぶん、他の人では衣装に完全に喰われると思います。
ほんと夢に見そうなピンクですだよ……。
これも、もうもう見ていただくしか!!!(>д<)ノ
とにかく若旦那の芸は必見です!!!
以上のような個性豊かな人達が繰り広げる舞台ですから、
面白くない訳がありません。なんだか、だんだん
「三国志」のイメージが変わってくるような気がしてますですが(笑)。
これまでは吉川英治と人形劇で構成されてたんだがなぁ…(遠い目)。
ああ、でもまたもや最高に近い(?)舞台を見てしまったので、
あとが大変かも。周瑜次第ですねぇ……。
この演目は周瑜の出来(魅力)が70%を占めますよ。
「群英会」最後の場面は例の<借東風>。
財津孔明が、やはり怪しさ大爆発で七星壇でお祈りしてました。
で、トンズラしてました。
最後までタヌキでした(((笑)))。
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続いては、昔NHKで録画だけして見ていなかった
「三国志〜赤壁の戦い〜」。
やはり「群英会」でした(笑)。
ビデオ3倍録画で、しかも最後は残存が足りなくて切れてるんですが、
保存状態は悪くなく幸運。
なんと、北京・中国・戦友3京劇団の合同公演です。
たぶん10〜12年ぐらい前の舞台だと思います。
さて、キャスティグ。
●曹操(前)……袁世海(お年なので前半のみ)
(後)……羅長徳
●魯粛 ……譚元寿
●孔明 ……張学津
●周瑜 ……葉少蘭
●黄蓋 ……李長春
上記「群英会」でカットされていた場面を全部選り抜いたように
フォローしてくれており、まさに今の私のためのような舞台!
いや、マジで驚いた……(汗)。
しかも、これから趙雲が孔明を迎えに行きますよ〜って
キリのいいところでテープが切れていて、
『こっから先が気になるのに!!!』……と地団駄踏む必要もなく。
すばらしい!!! すばらしい、過去の私!!!(自画自賛)
黄蓋は相変わらず若くて※(涙)、曹操はかわいくて(vvv)、
孔明はタヌキで(汗)、そして……
周瑜の寝間着がピンクじゃなかったーーーーーーーーッッッ(>д<)ノ
ヤダーーーーーーーーーーッッッ
ピンクじゃなきゃヤダーーーーーーーッッッ!!!!!
……せっかくの三劇団合同公演の最終感想がこれかと思うと
お歴々に申し訳ないようではありますが(((笑)))。
しかし!
あのピンクを見てしまっては、
もうそれ以外は認められませんですよ!( ̄皿 ̄)ノ
周瑜=ピンクの寝間着!!!
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最後は1957年の映画「群英会」です。
大量の雨と色褪せ方になんとも風情がございます(笑)。
でも音が鮮明なのは嬉しいな♪
●孔明……馬連良(老生といえばこの人という名優)
●周瑜……葉盛蘭(小生といえばこの人という名優)
●黄蓋……裘盛戎(浄といえばこの人という名優)
●曹操……袁世海(私のアイドル。もちろん名優)
●蒋干……蕭長華(丑といえばこの人という名優。
世海和尚に『君は浄だ!』と勧めた先生vvv)
(魯粛の役者さんの漢字が出ません……(汗)
魯粛は孫岳さんが一番好きでしたv)
1957年といえば、和尚41才、裘盛戎42才、葉盛蘭43才と
油の乗り切ったお年頃。(和尚の声の伸びと艶が違います!vvv)
この3人は同窓なんですよね〜。
やっぱり才能は固まって出てくるんだな…。
馬連良56才は納得として、
蕭長華の79才は『エエエッッ?!』でございます(汗)。
……とてもじゃないが……そんなお年には見えません……。
(蕭先生は89才の長寿を保たれましたが)
映画はかなりはしょってあるので、
もともと大して多くない黄蓋の場面が更に削られ(汗)、
裘盛戎の芸を堪能するところまではいきませんでしたが、
それでも押し出しの良い声だなぁと思いました。
厚みも迫力もそれなりにあるのに疲れないんですよ。
裘さんの芸を堪能するために、いつか半鷺BOXを買おうと思います
(なぜか彼のだけ某所でしか扱ってなくて、値段がバカ高…)。
はっぱパパは息子よりも貫禄があって(やはり息子は息子らしかったwww)、
男くささもアップ!ではありますが、
それだけにあの裏声の与える衝撃は息子よりも大きゅうございました(笑)。
相変わらず表情がいちいち楽しいぞ!(笑)
でも<借東風>の場面までいかずに映画は終わってしまうので
(曹操から矢をせしめたところで終わりなのです)、
期待していたピンクのネグリジェ……じゃない寝間着は見られませんでした。
ガッカリ…。
馬連良の孔明は、教養のある趣味人で、人が練れていて、
ちょびっとイヂワルで茶目っ気もある大店のご隠居さんといった感じ。
細面だし、タヌキ孔明よりは孔明らしいと思うのですが、
やはり悪魔(人外)なところがないのが物足りないかな〜(笑)。
これはあくまで私の好みで、この孔明は孔明として楽しく見られますけども。
どう見てもこの演目での魯粛と孔明は漫才コンビですし。
漫才コンビといえば、曹操と蒋干。
ほぼ40才違いの師弟コンビ!!!(◎д◎;;;)ノノノ
蕭先生もさぞ感慨深かったでしょう。
自分が浄になれと勧めた男の子が(by「袁世海全伝」)、
目の前で堂々たるプリチー曹操を演じてるんですもん。
やはり京劇の名作は<喜劇>であると実感した映画「群英会」でした。
(そして、<喜劇>は役者の力量が必須だとも……(涙))
この映画「群英会」。
必見は、あえて言いますが、蕭先生の蒋干です!
これまでの「群英会」ではさほど気にすることもない
(まぁ丑らしい役、程度にしか認識していなかった)蒋干が、
ほとんど主役並みに輝いています。
蕭先生……すごい……。
声も演技も年齢不詳だし(笑)、
それ以前に、あまりにも自然で素敵な演技に見惚れます。
京劇でいう<劇徳>って、蕭先生のためにある言葉?と思いました。
和尚自伝や鑑賞マニュアルで、蕭先生の素敵エピソードを読んだせいも
ありますが、人徳が文字通りオーラになって出てるんですよ…。ウットリ
この蒋干が見られただけでも、この映画を見た甲斐がありました。
蕭先生の他の作品も見たいな……
(……と、こうして京劇貧乏になっていくのでありましたとさ(涙))
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※張君秋……名女形。中国京劇音配像の製作指揮もとる。
※半鷺 ……中国京劇音配像のこと。半分サギの意(笑)。
昔の音源に、今の俳優の映像をかぶせてある。
国家プロジェクトなだけあって、出来はすばらしい。
※三哥 ……和尚は三男なので皆にこう呼ばれていた。
※若旦那……葉少蘭のこと。葉盛蘭(父)葉少蘭(息子)のことを
<はっぱ親子>と徒名しています。父子とも小生の名優。
個人的に京劇界の藤山寛美だとも思っている。
※若くて……このときの黄蓋役・李長春は、艶のある美声が災いして
老人役でもせいぜい30〜40代にしか聞こえないという
重大欠点があるのであった。
欠点というのも失礼なんだけど(涙)。
※裘盛戎……世海和尚の幼友達で、方栄翔と李長春の師匠。
この2人は、師匠の芸をキッチリ2等分したイメージがある。
※老生 ……中年〜老年男性役。京劇の主な主役。
※小生 ……若者役。裏声と地声を使い分ける。
小生の裏声の高音攻撃にはなかなか慣れない(笑)。
※浄 ……いわゆる隈取りで有名な役。
※丑 ……道化役。




